それが古物を買うということだ。
当たり前の話しだが、古物は最初から古物だったわけではなく、長い時間を経てそうなった。
この先どんなに科学が進歩しても、時間そのものをお金で買うことはできないだろう。時は逆戻りも、早送りもできない。だから古物には価値がある。そしてそれらは今に残る必然があり、そのもの自体に高いエネルギーがあると僕は思う。様々な人の手を渡り、使われ、愛でられ、思いが込められ、今そこにあるのだ。
古いものは目に見えないとてつもないエネルギーを宿している。
海外のマーケットで古いものに遭遇する時、玉石混淆の古物の中から真っすぐ僕に向けて発せられる、ものすごく大きなエネルギーを感じる事がある。まるで物陰からじっとこちらを見つめられているような、えも言われぬ力だ。
その力の発せられるもとを辿れば、必ず古物を見つけることができる。こう書くとまるでオカルト信奉者のように思われるかもしれないが、僕はそういうものとは縁がないタダの好事家だ。そして所謂アンティークのコレクターでもない。
コレクターと呼ばれる人たちはものに対する深い知識と偏愛にも似た一途な愛情、そしてそれを所有したいという強い欲求を持つ人たちだ。僕がコレクターと異なるのは、ものへの拘りや所有することの喜びよりも、寧ろそれらと一緒に居る時間や空間を感じ、味わう事が自分にとって大切で心地よいと感じるからだ。ここまで書いて思ったのだが、これから我々がつくろうとしているBROWN'Sの価値もそこに依拠しているように思う。ものを越えた心地よい時間や空間を提供するブランド。そしてその先、時を経ても残る必然をもち常に高いエネルギーを皆に向けて放ち続けるブランドになれれば良いと思う。
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